飽き性の人間が、AIとなら3D仮想オフィスを作りきれた理由

私は、何かを作り始めても完成する前に飽きます。プラモデルも、筋トレも、過去に立ち上げたブログも、だいたい途中で止まっています。
そんな人間が、思いつきで作り始めた「AI社員たちが働く3D仮想オフィス」を、作りきりました。ブラウザで開くと3Dのオフィス空間があって、部署ごとにAIの社員がいて、日本語で話しかけると実際に仕事をして納品してくる——そういう「自分だけのAI会社」です。しかも作り始めてから1か月半以上、飽きずに手を入れ続けています。私にとってこれは、成果物そのものより珍しい事態です。
コードは書けません。書いたのは、AIエージェント(Claude Code)への日本語の指示だけです。この記事は宣伝でもノウハウ集でもなく、「飽きる人間」がAIと組むと、なぜかプロジェクトを完走できてしまう構造についての実録です。
📌 【公開前に対応】TODO: スクショ: 3Dオフィスの全景(ブラウザでオフィス空間全体が見えている画面)
作ったもの:AI社員が働く3Dオフィス
- ブラウザで動く3Dのオフィス空間(手元のPCでサーバーを起動して表示。3D表示はThree.jsというライブラリですが、これを選んだのはAIで、私は名前を後から知りました)
- ガラス張りの部屋が部署ごとに並んでいて、それぞれにAI社員がいる。クリックするとカメラがその部署まで飛んでいき、指示を出せる
- 指示はすべて日本語のチャット。裏側ではAIエージェントが実際にファイルを作り、リサーチをし、成果物を納品する
- 「スライド制作部」に資料を頼むとHTMLのプレゼンスライドが納品される、「企画室」に思いつきを投げ込むと翌朝に企画案になって返ってくる——など、実務が回る部署がいくつも稼働中
📌 【公開前に対応】TODO: スクショ: 部署(ガラス部屋)とAI社員が働いている様子
作り始めたのは2026年7月中旬。最初の指示を出したその日のうちに、ブラウザに3Dのオフィスが表示されるところまで動きました。 そこから3週間ほど、ほぼ毎日どこかしらに機能を足し続け、今は「開発するもの」というより「毎日使う道具」になっています。
開発の流れ:やったことは「会話」だけ
最初の指示はこの程度の雑さ
3Dの仮想オフィスを作りたい。ブラウザで見られて、
オフィスの中にAI社員がいて働いている感じにしたい。
仕様書もワイヤーフレームもありません。Claude Codeが技術選定(3D表示の仕組み、サーバー構成)を勝手に決めて、動く第一版を作ってきました。「何を使って作るか」を人間が知らなくていいというのが、最初の衝撃でした。
そしてここが、飽きる人間にとっては本質的に重要です。「まず調べて計画を立てる」という、いちばん飽きやすい工程が丸ごと消えているんです。従来なら、3Dライブラリの比較記事を読み、環境構築でつまずき、チュートリアルの3章あたりでやる気が尽きる。その全部を飛ばして、いきなり「動いているもの」から始まりました。
開発ループは「見る→文句を言う」の繰り返し
以降の私の仕事は、ブラウザで見て、日本語で文句を言うことだけです。
- 机の配置が不自然。島型に並べて
- 社員がずっと止まってる。たまに歩き回るようにして
- 部署ごとに名前と役割を持たせたい
エラーが出たら、画面の赤い文字をコピペして「これ直して」。開発の9割は、この会話ループでした。
📌 【公開前に対応】TODO: スクショ: 実際にチャットで指示を出している画面(指示文と、それを受けて作業中の表示)
なぜ飽きなかったのか(ここが本題です)
私は自分の「飽き」を、直すべき欠陥だとは思っていません。興味が続いている間の出力は高く、切れた瞬間にゼロになる——そういう仕様です。仕様なら、根性ではなく設計で対処するしかない。今回たまたま完走できたのは、AIとの開発がその設計に合っていたからだと思っています。分解すると3つです。
理由1:報酬の間隔が異常に短い
普通の開発は「苦しい期間が長く、動く喜びが最後に一度だけ来る」構造です。私はその長い期間を越えられません。ところがAIとの開発は、雑な一言を投げるたびに、数分で画面が目に見えて変わります。机が並ぶ。社員が歩き出す。部屋に名前がつく。小さな「動いた」が数分おきに来る。飽きる暇がない、というのが正直な体感でした。
理由2:「つまらない工程」を全部AIが引き受けている
プロジェクトが止まるのは、たいてい面白い工程ではなく、環境構築・エラー調査・地味な修正といった工程です。今回それらはすべてAI側にありました。私の手元に残ったのは「何が欲しいかを決める」「見て文句を言う」という、飽きようがない工程だけです。飽きる工程を消すのではなく、飽きる工程を持たない分業にする。これは根性論よりずっと再現性があります。
理由3:中断しても、再開のコストがほぼゼロ
それでも私は途中で何日か触らない期間がありました。従来ならここで終わります。「どこまでやったっけ」を思い出す作業が重すぎて、再開できないからです。今回は違いました。再開の手順が「サーバーを立ち上げて、また日本語で話しかける」だけなんです。文脈の復元をAIとファイルが持ってくれているので、中断が致命傷になりません。飽き性にとって大事なのは「中断しないこと」ではなく「中断が死につながらないこと」だと、今回はっきりわかりました。
途中から「開発」が「経営」になった
面白かったのはここからで、オフィスが形になると、次に欲しくなるのは機能ではなく「社員に仕事をさせること」でした。
例えばスライド制作部。「プレゼン資料を作る部署を作って」と頼むと、依頼を投げれば発表資料のHTMLスライドを納品してくる部署ができました。納品物は一覧ページから見られて、実際の説明の場でそのまま使っています。もはや3Dオフィスは飾りではなく、AIに仕事を振るためのインターフェースになっています。
📌 【公開前に対応】TODO: スクショ: スライド制作部の納品物(HTMLスライドの実物、または納品一覧ページ)
極めつけは「企画室」です。私は思いついたアイデアを高確率で忘れるので、3Dオフィスの企画室に「アイデア投函」機能を作らせました。思いついた瞬間にスマホから一行投げ込むだけで、翌朝にはAIがそれを企画案の形に整えて提案してくる。「思いつくが、覚えていられない」という自分の穴を、自分の会社の一部署が塞いでいる。この構造ができたとき、作ってよかったと心から思いました。
📌 【公開前に対応】TODO: スクショ: 企画室のアイデア投函画面、または投函したメモが企画案になって返ってきたところ
逆方向の連絡網もあります。AI社員側から「これどうしますか」という依頼が掲示板(クエストボード)に貼られ、私が返信すると作業が始まる。放置していたタスクや期限切れも、向こうから掲示してきます。段取りを覚えておく係を、人間がやらなくていいんです。
📌 【公開前に対応】TODO: スクショ: クエストボード(AI社員からの依頼が並んでいる画面)
正直な話:できなかったこと・壊れた話
夢のような話だけ書くのはフェアじゃないので。
- 一発では絶対に動きません。エラーと修正の往復は普通に発生します(ただし、解決するのもAIです)
- 「何を作りたいか」は絶対にAIが決めてくれません。指示の曖昧さは、そのまま成果物の曖昧さになります
- 大きな機能を一度に頼むと壊れがちです。「動く小さい単位」で頼むのがコツでした。これは偶然にも、飽き対策とまったく同じ設計です
一番派手に壊れたのは8月のある朝で、AI社員が全員、一斉に動かなくなりました。何を頼んでも認証エラーで即死する。以前の私なら、原因を調べる工程の重さに耐えられず、ここでプロジェクトごと放置していたと思います。実際にやったことは、エラーメッセージをClaude Codeに貼って「全員死んでる。調べて」と言っただけです。AIが原因(認証情報まわりの環境設定の引き継ぎ問題)を特定し、再発しないようサーバー側のコードまで直しました。私が手を動かしたのは、指示どおりに再ログインした数十秒だけ。トラブル対応すら「見て、貼って、待つ」で済むのは、途中離脱の最大要因が消えるということです。
飽き性の人が、この話から持ち帰れること
- 飽きは欠陥ではなく仕様。対策は根性ではなく構造:報酬間隔を短くし、つまらない工程を分業で手放し、中断を前提に再開コストを下げる。AIとの開発は、この3つが最初から揃っています
- プログラミング学習より先に「発注力」:AIに何をどう頼むかが成果の8割でした。そしてこれは、飽きる前に習得が終わる程度のスキルです
- 完璧な計画より、雑な第一版:「動く小さい単位」で進めるのは、壊さないためのコツであると同時に、飽きないためのコツでもあります
- 作ったものは次の名刺になる:この3Dオフィス自体が、AI活用の話をするとき一番説得力のある「実物」になっています。完走の成果は、完走の事実そのものです
あなたも今日から作れます
特別な環境は不要です。Claude Codeのセットアップは10分で終わります。月額20ドル程度のProプランがあれば、この記事の内容はすべて再現可能です。
ただし、いきなり3Dオフィスを作るのはおすすめしません。最初の一歩は「自分のブログを作って、今日中に公開する」がちょうどいいです。工程が軽く、成果物がそのまま資産になり、なにより「AIに頼んだら本当に動いた」という最初の報酬が一番早く手に入ります。手順はこちらの記事にまとめてあります。
→ 続かない人でも今日ブログが公開できる——Claude Codeで記事作成→WEB公開する方法
📌 【公開前に対応】TODO: 記事#2(Claude Codeの始め方/claude-code-install-guide)公開後、セットアップ手順への内部リンクをここに追加
飽きてもいい設計で、まず一つ、完成させてみてください。「作りきれた」という事実は、思っているよりずっと遠くまで連れて行ってくれます。
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