【金持ち父さんゼミ#3】『金持ち父さん貧乏父さん』で取る教え・捨てる教え——28歳法人経営者の総括

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3回に分けて『金持ち父さん貧乏父さん』を履修してきた(#1 資産と負債 / #2 ラットレース)。最終回は総括として、この本の教えを「取る」「捨てる」の2列に仕分けする。資産と負債の仕分けを、本そのものに適用するわけだ。
先に立場を言っておく。この本は名著で、かつ、鵜呑みにすると危ない本だ。両方同時に真だと思う。
取る列
- 資産と負債の1行定義(#1参照)。この1行だけで本代の元は取れる
- 「収入アップは出口ではない」(#2参照)
- 税金と法人の知識。会社を持つ者が構造的に有利という指摘は、日本でも方向としては正しい。ただし実装は国によって全く違うので、本から学ぶのは「姿勢」だけにして、具体は税理士と組む。俺は法人を作って税理士と組んだ側の人間だが、この判断のリターンは大きかった
- 「学ぶために働け」。給料の額ではなく、身につくスキルで仕事を選べという教え。俺は営業の仕事をしているが、あれは給料のためというより営業スキルという一生モノの資産を仕入れていると再定義できる。この視点の転換は精神衛生にも効く
- 「最も重要なスキルはセールスとマーケティング」。これは断言に見えて、実務では本当にそう
捨てる列(または日本仕様に翻訳してから使う列)
- 不動産レバレッジ礼賛。本書の成功譚は80〜90年代の米国不動産が舞台。融資条件も人口動態も違う今の日本の個人が、あの温度感で輸入するのは危険
- 「持ち家は負債」の極論。定義としては正しいが、日本の住宅ローン金利・家賃相場だと計算結果は人による。スローガンではなく計算問題として扱う
- 学校教育の全面否定。日本では資格や社会的信用が実際に金になる場面が多い。「学校では金を教えない」だけ取って、「だから学校は無意味」は捨てる
- 物語の実話性。「金持ち父さん」が実在したかには昔から疑義がある。ゼミでこの話が出たとき、俺の反応は「どっちでもいい。あまり興味がない」だった。今もそう思う。実話かどうかは、使えるかどうかと関係ない。実話として感動する読み方だけ、しなくていい
総括: この本は「地図」ではなく「コンパス」
細かい道順(不動産を買え、こう節税しろ)を真似する本ではない。向き(金をどっちに流すか)を合わせる本だ。コンパスとしては、俺が読んだお金の本の中で一番針がブレていない。
道順は自分の地形で引くしかない。俺の地形はADHDと法人とAIで、だから俺の道順は「枠と自動化」(#1)と「暇の設計」(#2)になった。あなたの地形なら、別の道順になるはずだ。
最後に: 誰に勧めるか
ゼミの最後に「この本を一人に勧めるなら誰?」と聞かれて、考えた答えは自分の父親だった。
ただし、渡すときには一言添える。この本はマルチ商法の勧誘トークにも昔からよく使われる。「不労所得」「権利収入」という言葉に翻訳されて、誰かの儲け話の入口にされがちな本でもある。だから添える一言はこうだ——「資産の定義だけ取って。誰かの儲け話の道具として読まないで」。
コンパスは自分の手で持つから意味がある。誰かに針を握らせた時点で、それはもうコンパスではない。
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次回からは2冊目『キャッシュフロー・クワドラント』編。「E・S・B・I」の4象限で、俺が今どこに立っているかを晒す。
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