「メモ1行→AIが記事化→ワンコマンド入稿」——このブログの裏側を全部見せます

※本記事にはプロモーションが含まれます。
ブログ運営のノウハウ記事はたくさんあります。でも「実際どう回してるのか」を工程まるごと見せてくれる記事は、意外と少ない。
筆者はADHD当事者で、段取りを組むのも、同じ作業を毎回繰り返すのも、猛烈に苦手です。それでもこのサイト(adhd-human.com)は更新が続いています。
理由は単純で、続けるのに必要な工程を、限界まで短くしてあるからです。
この記事では、このサイトの運用の裏側を全部見せます。ネタ出しから入稿までの実際の流れ、使っているスクリプトの中身(の抜粋)、自動化に失敗した実話まで含めてです。
「AIでブログを回す」という言葉の解像度を、一段上げてもらえたらと思います。
全体像:人間が3割、AIが7割の分業
先に結論の表を置きます。このサイトの1記事は、こういう分業で作られています。
| 工程 | 担当 | かかる時間の感覚 |
|---|---|---|
| ① ネタ出し(メモ1行) | 人間 | 数秒〜1分 |
| ② 下書き生成 | Claude Code | 放置(数分) |
| ③ 事実確認・判断・修正 | 人間 | 10〜30分 |
| ④ WordPressへ下書き入稿 | スクリプト(ワンコマンド) | 数秒 |
| ⑤ スクショ・最終チェック・公開 | 人間 | 10〜20分 |
原則はひとつだけです。「生成は自動、判断は人間」。文章を大量に作る・形式を整える・機械的に転記する——こういう作業はAIとスクリプトに全部渡す。
その代わり、「これは事実か」「公開してよいか」の判断は必ず人間が持つ。この線引きさえ守れば、AIブログ運営は破綻しません。逆に、判断までAIに任せると事実誤認がそのまま世に出ます。
では、工程を順に見ていきます。
① ネタはメモ1行から始まる
ネタ出しのために机に向かうことは、ほぼありません。日常の中で「あ、これ詰まったな」と思った瞬間に、スマホのメモに1行書くだけです。実際のメモはこんな粒度です。
REST API通らなかった話、そのままネタになるのでは
ラッコキーワードをClaude Codeに読ませるやつ
見学ドタキャンしそうになった対策
きれいな企画書にしない、というのが重要です。「あとでちゃんと書こう」と思った瞬間に、そのネタは死にます(筆者調べ)。1行のメモなら、書くのに意志力がいりません。ネタ出しという工程を、実質ゼロ秒にしてあるわけです。
② Claude Codeが下書きを生成する
メモが数本たまったら、PCでClaude Code(Anthropic社のターミナル上で動くAIエージェント)を起動して、メモとサイトの執筆ルールを渡します。指示はざっくりこんな内容です。
このメモを元に記事の下書きを書いて。
- サイトの文体ルール(執筆ブリーフ.md)に従うこと
- 体験談は、渡した事実メモにあるものだけ使うこと
- 足りない体験談・スクショは本文中に TODO コメントで残すこと
- WordPress入稿用のHTML形式で保存すること
ポイントは3つ目と4つ目です。「知らないことは書かずにTODOで残せ」と指示しておくと、AIが体験談を捏造する事故を仕組みで防げます。また、最初からHTMLで出させるので、後工程の「整形作業」が消えます。
Claude Codeの導入手順や記事生成プロンプトの詳細は、別記事にまとめています。
Claude Codeで記事作成からWEB公開まで進める手順はこちら
③ 人間の仕事は「判断と修正」だけ
下書きが出てきたら、筆者がやるのは次の3つだけです。
- 事実確認:体験談・数値・サービス仕様が事実と合っているか。少しでも怪しい記述は削るか「要確認」を付ける
- 判断:この記事を出すか、方向を変えるか、ボツにするか
- 修正:言い回しの違和感を直す。ゼロから書くのではなく「直す」だけ
白紙から書き始める工程が存在しない、というのが効いています。ゼロから3,000字書くのと、8割できた下書きに赤を入れるのとでは、着手のハードルがまるで違います。先延ばし癖のある人ほど、この差は体感できるはずです。
④ 入稿はワンコマンド——ただし最初の自動化は失敗した
修正が終わったら入稿です。ここは完全に自動化していて、ターミナルで1行実行するだけです。
bash scripts/post-article.sh 記事本文.html "記事タイトル" スラッグ
数秒で、WordPressに下書きとして記事が入ります。管理画面を開いてポチポチ貼り付ける作業は存在しません。
実話:REST APIが通らなかった
きれいに聞こえますが、ここは一度つまずいています。WordPressへの自動投稿といえば、まずREST APIを使うのが定石です。
ところがこのサイトが載っているお名前.comの共用サーバーでは、認証ヘッダーがサーバー側で落とされてしまい、REST APIの認証がどうしても通りませんでした。
で、どうしたか。定石より一世代古いXML-RPCという仕組みに切り替えたら、あっさり通りました。スクリプトの中身は、概念としてはこれだけです(認証情報の部分は伏せています)。
import xmlrpc.client
# ユーザー名とアプリケーションパスワードは .env から読み込む(直書き厳禁)
server = xmlrpc.client.ServerProxy('https://自分のサイト.com/xmlrpc.php')
post = {
'post_type': 'post',
'post_status': 'draft', # 必ず「下書き」。公開ボタンは人間が押す
'post_title': title,
'post_name': slug, # スラッグ
'post_content': open(html_file, encoding='utf-8').read(),
}
post_id = server.wp.newPost(1, user, app_password, post)
大事なのは、このスクリプトを書いたのも筆者ではなくClaude Codeだという点です。筆者がやったのは「REST APIが通らない。エラーはこれ。別の方法を探して」と伝えたことだけ。
環境のクセでつまずいても、回避策ごとAIに作らせればいい——これが今のAIブログ運営の実感です。REST APIでの自動投稿手順(通常のサーバーならこちらが定石です)は別記事に書いています。
Claude CodeからWordPressに自動投稿する設定手順はこちら
もうひとつ、スクリプトの'post_status': 'draft'に注目してください。技術的には公開まで全自動にできますが、あえて下書き止まりにしています。
「生成は自動、判断は人間」の原則を、スクリプトのデフォルト値として埋め込んであるわけです。意志力で守るルールは破られますが、デフォルト値は破られません。
⑤ 手作業で残しているもの:スクショと最終チェック
下書き入稿後、人間の手作業として残しているのは2つです。
- スクショの撮影・差し込み:実際の画面写真だけは自動化できません(し、ここが記事の信頼性の源泉なので自動化しません)。下書きには
<!-- TODO: スクショ -->の形で挿入位置がコメントされているので、それに従って撮って差し込むだけです - 公開前の最終チェック:プレビューでリンク切れ・事実誤認・変な日本語を確認して、公開ボタンを押す
筆者は細部の見落としが多いタイプなので、最終チェックは「リンク・数値・固有名詞」と対象を絞ったチェックリストにしています。全部をちゃんと見ようとすると、全部を雑に見ることになるからです。
なぜ飽き性でも続くのか:工程が短く、毎回「動く成果物」が出る
この運用にしてから気づいた、継続できる理由は2つです。
1つ目は、1記事あたりの人間の工程が短いこと。やる気が必要な作業は「メモ1行」「赤入れ」「スクショと公開」の3つだけで、どれも1回の集中で終わる長さです。
ブログが続かない原因の大半は意志の弱さではなく、1記事の工程が重すぎることだと筆者は考えています。工程の設計の問題なら、設計で解決できます。
2つ目は、毎回「動く成果物」が出ること。コマンドを打てば数秒後にWordPressに下書きが並ぶ。この「目に見えて進んだ」という即時の手応えが、飽きやすい脳には何よりのガソリンになります。
逆に、成果が見えるまでの工程が長い作業は、途中で必ず飽きます。だから工程を「動くものが出る単位」で細かく切ってあるのです。
この体制に必要なもの(2つだけ)
同じ運用を組むのに必要な道具は、実は2つしかありません。
1. Claude Code——記事生成と、入稿スクリプト作成の両方を担う主役です。Proプラン(月額20ドル程度 ※要最新確認)で、このサイトの運用には十分足りています。
2. WordPressが動くレンタルサーバー——筆者は先にドメインを取った経緯からお名前.comの共用サーバーで運用していますが、上で書いたとおりREST APIが通らずXML-RPCへの迂回が必要でした。
これから新規で始めるなら、REST APIがそのまま使えて自動投稿の定石構成が素直に組める、国内シェアNo.1のエックスサーバーのような定番サーバーを選ぶほうが、間違いなく工程が少なくて済みます。
まとめ:意志は仕組みに勝てない。だから仕組みに任せる
- このサイトは「メモ1行 → Claude Codeが下書き → 人間が判断と修正 → ワンコマンドで下書き入稿 → スクショと最終チェックだけ手作業」で回っている
- 原則は「生成は自動、判断は人間」。公開ボタンだけは絶対に自動化しない(スクリプトのデフォルトを下書きにして原則を埋め込む)
- 自動化は一度失敗している(REST API不通)。でも回避策(XML-RPC)を作るのもAIの仕事にすれば、つまずきは止まる理由にならない
- 続く理由は精神論ではなく、工程が短いことと毎回動く成果物が出ること
ブログ運営は「頑張って続けるもの」から「仕組みで回るもの」に変わりつつあります。この記事が、その具体的なイメージの足しになれば嬉しいです。裏側は今後も変わっていくと思うので、変わったらまた記事にします。
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