【金持ち父さんゼミ#4】E・S・B・Iの4象限で現在地を晒す——法人を持っていてもBではなかった

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1冊目『金持ち父さん貧乏父さん』は3回かけて履修した(#1 資産と負債 / #3 総括)。今回から2冊目『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』に入る。#3の最後に予告したとおり、初回はE・S・B・Iの4象限で、俺が今どこに立っているかを晒す。
先に結論だけ言っておく。俺の収入は左側(EとS)にほぼ全部積まれていて、右側(BとI)はほぼ空だった。法人を持っていても、だ。これが今回の一番の気づきになる。
4つの象限——「いくら稼ぐか」ではなく「どこから入ってくるか」
1冊目が「金の出口」(資産か負債か)の本だとすると、2冊目は「金の入口」の本だ。収入の額ではなく、収入がどういう経路で入ってくるかで、人を4つに分ける。
| 象限 | 誰か | 何と引き換えに金が入るか |
|---|---|---|
| E(従業員) | 雇われて働く人 | 自分の時間と労働。雇い主の仕組みの中で |
| S(自営業者) | 自分で仕事を取る人 | 自分の時間とスキル。働いた分だけ |
| B(ビジネスオーナー) | 仕組みを所有する人 | 自分がいなくても回るシステム |
| I(投資家) | 金に働かせる人 | 投じた資本そのもの |
左側(E・S)は自分が働く象限。右側(B・I)は仕組みと金が働く象限。本の主張を乱暴に1行にすると、「左側だけで生きている限り、ラットレース(#2)からは構造的に降りられない」だ。
ここで大事なのは、この4象限が優劣の序列ではないことだ。Eが下でIが上、という話ではない。金の入り方の分類であって、同じ人間が複数の象限に足を置いていることも普通にある。というか、俺がそうだった。
SとBを分ける線は「肩書」ではない
EとSの違いは分かりやすい。雇われているか、自分で取っているか。分かりにくいのはSとBの境界線で、この本の価値はほとんどここにあると思う。
本の区別はこうだ。Sは「仕事」を所有している。Bは「システム」を所有している。自分の名前で仕事を取り、自分の手で納品しているうちは、名刺の肩書が何であれ、法人格があろうがなかろうが、それはSだ。
ゼミでこう聞かれた。
「あなたが明日から1ヶ月、何もできなくなったら、どの収入が残りますか?」
この質問一発で仕分けが終わる。残る収入が右側、止まる収入が左側。売上の額も、会社の登記も、SNSのフォロワー数も、この質問の前では全部ノイズだ。
俺の仕分けを晒す
で、俺自身をこの4枠に置いてみた。額は連載のポリシーどおり一切書かない。書くのは流れの形だけだ。
| 象限 | 俺の中身 | 1ヶ月止まったら? |
|---|---|---|
| E | 会社員としての営業の仕事 | 止まる。俺が動いた分だけの収入 |
| S | 個人でのWeb・AI関連の受託、教育の仕事 | 止まる。完全に俺の時間との交換 |
| B | このメディアと、記事入稿・運用を自動化したAIの仕組み群 | 仕組み自体は回る。ただし収益はまだ検証中。卵 |
| I | ほぼ空欄。#1に書いた自動積立が細く回っているだけ | (踏み込まない。後述) |
書き出してみて、2つのことに気づいた。
気づき1: 法人を持っていても、Bではなかった
俺は法人を作った側の人間で、#3では「その判断のリターンは大きかった」と書いた。それは今も変わらない。ただ、この本の基準で見ると話は別だ。法人はBの「入れ物」にはなるが、中身が俺の稼働なら、それはSだ。
#1で自分の事業収入を「資産化しかけている仕事」と仕分けたのと、まったく同じ構造がここでも出てきた。箱の形ではなく、金の流れで判定する。1冊目と2冊目で道具は違うのに、突きつけてくる問いが同じなのは、たぶんこの著者の芸風だ。そして2回突きつけられても、俺の答えはまだ変わっていない。
気づき2: 「1ヶ月止まったら」に対する俺の正直な答え
ほぼ全部止まる。これが現在地だ。EもSも止まる。残るのは、収益がまだ立つかどうか検証中のメディアの仕組みと、細い自動積立だけ。右側は、ほぼ空。
格好はつかないが、この連載は現在地を晒すところから始めると決めているので、そのまま書いておく。数年後に読み返すための定点観測でもある。
Sは、俺の苦手の見本市だった
ここからが、この連載の本題に接続する部分だ。Sという象限を分解すると、こうなる。
- 仕事を取る(営業・交渉)
- 段取りを組む(見積もり・スケジュール管理)
- 納期まで続ける(進捗の自己管理)
- 請求して回収する(事務・締め切りのある雑務)
全部、自分だ。そして後ろの3つ——段取り、継続、期限つきの事務——は、俺のADHD的な苦手がそのまま並んでいる。Sは「自分の時間を売る」象限であると同時に、「自分の段取り力が収入の上限になる」象限でもある。Eなら会社の仕組み(経理、進行管理、上司のリマインド)が肩代わりしてくれる部分が、Sでは全部剥き出しになる。
「独立すれば自由になれる」という話がよくあるが、この本を読むと逆のことが見えてくる。段取りと継続が苦手な人間にとって、Eは「会社という仕組みを借りられる象限」であって、Sより安全なことすらある。俺がEを維持しているのは、惰性ではなくその判断だ。
だから俺の方針は「SからBへ寄せる」になる。Bは仕組みが働く象限だ。段取りと継続が苦手なら、段取りと継続を仕組みに肩代わりさせる側に回るしかない。このメディアの入稿や運用を自動化して、「書く」以外の工程から自分を抜いているのは、その実装だ(仕組みの全体像は収益化の設計図の記事に書いた)。
ただし、誇張はしない。Bは4象限の中でたぶん一番難しい。仕組みが完成する前に飽きたら終わりだし、仕組みを作ること自体に段取りが要る。俺はそこをAIに補わせているが、それでも今の俺のBは卵で、収益は検証中だ。「ADHDだからBに向いている」わけではない。「ADHDだからSに留まる理由が薄く、Bに寄せる理由が濃い」——言えるのはそこまでだと思う。
Iについては、今は「象限がある」とだけ
右側のもう1つ、I(投資家)の象限。この連載では踏み込まない。額も、利回りも、何に投じるかも書かない。書いた瞬間に、この連載は書評ではない別の何かになるからだ。
本自体は、Bで作った余剰と経営の経験をIに回す順序を勧めている。俺の欄がほぼ空なのは、その順序で言えばまだBの手前にいるからで、順当と言えば順当だ。Iの話は、俺がそこに立ってから書く。立てなかったら、立てなかったと書く。
今日から真似するなら
- 紙に4つの枠(E・S・B・I)を書いて、自分の収入源を全部どれかに置く。額は書かなくていい。流れの形だけで数分で終わる
- 各行に「自分が1ヶ月止まったら、これは残るか?」と書き込む。残る行が右側だ
- 右側が空でも凹まなくていい(俺もほぼ空だった)。代わりに、右側に置けそうな小さい何かを1つだけ決める。俺の場合はこのメディアだった。あなたの地形なら、別の何かのはずだ
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次回は「Sの罠」を深掘りする。「独立すれば自由」の何が本当で何が嘘なのか、左側の住人として書く。
※本記事は書籍の感想と個人の実践記であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
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